ユノイチカ『夜明けの唄(5)』ネタバレ感想｜エルヴァの親友が生きていた！？

『夜明けの唄』5巻では、4巻のラストで姿を消した覡がエルヴァの親友・ミカイルであることが判明します。
さらにミカイルは島の貴族の屋敷を次々に襲撃、皆殺し計画にエルヴァを誘いますがーー。

本記事は『夜明けの唄』5巻のネタバレを含む感想です。
未読の方はご注意くださいませ！

『夜明けの唄(5)』こんなワードが刺さる人におすすめ！

#年下攻め
#ワンコ攻め
#巫子
#ファンタジー
#体格差
#展開がじっくり

『夜明けの唄』はアルトとエルヴァの恋愛だけでなく、島をめぐる数々の謎を解いていく物語なのでBL的な展開はすごくゆっくり。
だからこそ、じっくり描かれる2人の恋愛模様が愛おしいんですよね！

『夜明けの唄(5)』書誌情報

著者	ユノイチカ
レーベル	from RED
出版社	シュークリーム
発売日	2024年4月15日

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『夜明けの唄(5)』カップリング

アルト（アルトノウル）…18歳。エルヴァの従者。黒海と人間のハーフ。

×

エルヴァ…26歳（16,17歳の外見）。南の覡。

『夜明けの唄(5)』超個人的レビュー！

ストーリー
絵
エロス
覡の運命が残酷すぎる…

毎晩冷たい海で闘って、墨痣に侵されて短命なのに加えて、「未来を見ること」まで強いられ、男たちの暴力に手折られていった過去の覡たち…。
これはミカイルじゃなくてもキレます！

『夜明けの唄(5)』ネタバレ感想

4巻ラストで「自分が半分黒海だ」という事実を突きつけられ、エルヴァのそばにいてもいいのか逡巡していたアルトでしたが、覡小屋に帰ってきました。

島では貴族を殺しまくる覡が現れ、南の海岸警護は東の覡・ダナに任され、エルヴァは貴族の屋敷の警護にあたることに。

そこでエルヴァは襲撃犯と交戦し、その姿が8年も前に死んだと聞かされた兄貴分のミカイル（ミカ）に似ていると衝撃を受けます。

エルヴァが一旦覡小屋に帰ったところ、ミカが笑顔で訪ねてきて、「エルヴァ　一緒にあいつらに復讐しよう」とまっすぐな目で誘いますが、ミカイルの様子はあきらかにおかしく、黒海に乗っ取られているようです。

シヨンと大巫女に呼び出されたエルヴァは、ミカイルを討つように命令されてしまいます。

一方、ミカイルのもとには黒海の元死刑囚（バジルという名前が判明しました）が近づきます。
ミカイルは黒海と覡の人格が手を組み、体を共有しているという新しいパターンだそう。

島内のあちこちで覡を排除しようとする島民が、武器を手に覡小屋を襲います。

夜、エルヴァが警護する貴族の屋敷にミカイルがやってきます。
射られた矢を反射的に斬ってしまうエルヴァ。
襲撃犯の仲間と思われてしまい、ミカイルに連れられて海岸まで逃げてきました。

島の貴族や島民に憎悪を募らせるミカイルは、自分と同じように、エルヴァに黒海のすべての記憶を見せます。

黒海の記憶が見せたビジョンは、世界が戦争に突入しようとしていたころのものでした。
覡の少女が島外の軍人にふともらした一言がきっかけで、覡の運命がさらに過酷なものにーー。

ミカイルは死の淵にいた夜、このような過去の覡の絶望を見せられて、黒海に体をくれてやることを決めたのでした。

さらに、ビジョンを見せられて昏倒したエルヴァは、自分が花付きになったショッキングな出来事を思い出していてーー。

『夜明けの唄(5)』の個人的推しポイント

5巻は、表紙のエルヴァが花束を持ってたりして、「最終巻なの！？」と身構えてしまいましたが、カバー折り返しのユノ先生のコメントで「あと数冊描かせてもらう予定」とのことで安心しました！

1.過去の覡が受けたひどすぎる仕打ちに戦慄

ビジョンを通して未来を見られる能力が島外の軍人にバレてしまい、各国要人が島に「天啓」を求めてくるようになりました。
軍人らは美しい覡の姿に劣情を募らせ、暴力やレイプがどんどんエスカレートしていき、ついに少女の覡は黒海で溺死させられてしまいます…。

「領主も修道院も覡が男達の慰み者になっていることは知っていた
だが誰も咎めなかった
見返りが大きかったからだ」

2.ちびエルヴァ…

庭師の男だけでなく、シヨンの兄からも被害を受けていた幼いころのエルヴァ。
シヨンの兄がエルヴァをことあるごとに殴っていたのは、性的な執着からだったのですね。

3.ミカイルの怒りはもっとも！

本当にこの島クソというか、人間の汚いところ丸出しって感じで読んでてちょっと辛いですね…。
とにかく、アルトとエルヴァが搾取されずに幸せになってほしいんです！

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