「え、ゾンビ？グロ？」と好き嫌いするなかれ。
『スリーピングデッド』は、人間の汚い部分の裏側に尊い部分があると思わせてくれる作品でした。
本記事は『スリーピングデッド(上)』のネタバレを含みます。
未読の方はご注意くださいませ！
『スリーピングデッド(上)』こんなワードが刺さる人におすすめ！
人体破壊描写がものすごいので、苦手な方は読まないほうがいいと思います…
個人的には「痛いと分かってるけれど自発的にそうしなきゃいけない」シーンがキツかった…（手錠抜け）
しかしグロを補って余りあるほどストーリーが面白いので、耐性がある方はぜひ！
『スリーピングデッド(上)』書誌情報
| 著者 | 朝田ねむい |
| レーベル | Canna Comics |
| 出版社 | プランタン出版 |
| 発売日 | 2021年8月27日 |
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『スリーピングデッド(上)』カップリング
佐田聖二（さだせいじ）
高校教師。国語担当（？）30歳。
×
沢尻（間宮）冬邪（さわじり（まみや）とうや）
マッドサイエンティスト。研究所勤務。29歳。
佐田聖二（さだせいじ）
高校教師。国語担当（？）30歳。
×
沢尻（間宮）冬邪（さわじり（まみや）とうや）
マッドサイエンティスト。研究所勤務。29歳。
肉体的接触はほとんどありませんが、下巻を読み終わってから振り返ると、大きな「愛」を随所に感じます…
『スリーピングデッド(上)』超個人的レビュー！
| ストーリー | |
| 絵 | |
| エロス | |
| なぜか漂う家庭的な雰囲気 |
朝田先生はこの作品を読むまで知らなかったんですが、主線が太くてカッコいい絵柄！ ファンになりました！
エロは酔って調子に乗ってレイプまがいに手で扱くくらいしかありません。（それも事情があるからなのですが…）
『スリーピングデッド(上)』ネタバレ感想
佐田聖二は爽やかな容姿で人当たりも良く、サダセンと呼ばれ慕われる高校教師。
しかし夜の街の見回り中、男に襲われている女子生徒を見つけ、声をかけた途端に自らもメッタ刺しにされ命を失ってしまいます…。
しょっぱなからスプラッタ！ 指がスパッといっちゃたところでヒィ～てなりましたが、まだまだグロ描写は続きます…
佐田が意識を取り戻すと、首輪と手枷足枷をつけられ解剖台の上に寝かされていました。
そこに現れたのはキューピーちゃんのようなヘアスタイルの間宮と名乗る男。
間宮が言うには「君は一度死に、僕が開発したBⅡ-E3細胞でゾンビとして蘇った」――！
さらに佐田は「同種の死骸」しか口にできない状態に！
佐田が寝起きで「いい匂いがする」と言ったのはカスタードドーナツの匂いではなく、（たぶん）脇に置いてあったスムージー（人肉）の匂いなのかな
間宮は楽し気に、検査と称して佐田の腹を掻っ捌いて腸を取り出すなどの拷問を繰り返します。
佐田は間宮のいないうちに解剖台から逃げ出すために手錠から手を抜こうと血まみれになりながら、なんとか脱出します！（ここが一番読んでてキツかった！）
佐田が監禁されていたのはツタの這うこぢんまりとした洋館でした。
なんと今までいたのは隣の学区だったことが判明！ 一気に現実味が戻ってきました
ふらふらと勤め先の学校まで来た佐田を、事件の日の夜回り当番を代わってあげた野上先生が見つけます。
野上先生を「美味しそう」と思う自分の本能に衝撃を受け、その場を逃げ出す佐田。
空腹とショックにやられ、公園の遊具の中で横たわっていたところを間宮がGPSを追ってきて見つけます。
不本意だけどお腹は空く…
食事＝生きるためには間宮と一緒にいるしかない…
それから佐田はベッド・衣服・身体の自由を与えられ、間宮と食卓を囲むようになりました。
ある日間宮が目を覚ますと、佐田がサルを檻から出して庭で2人で遊んでいるところでした。
ラストを知っているとものすごく悲しくて、愛おしい光景ですね…
間宮はスムージーを作り、佐田はトーストを焼く。
相手の食事を調達するって結構「愛」を感じる行為ですね。
話題は「次の食料」をどうするか＝人を殺すか、誰を殺すか、どうやって殺すかという問題に。
字が多いけど、こういうモラルに関する議論が面白くするすると読めました
テレビでは佐田と女子生徒を殺した男が捕まったというニュースが。
佐田の母親のインタビューが映ったことから話題が家族の話に移ります。
間宮の研究は彼の大叔母さんから引き継いだもので、彼は研究を成功させて、大叔母さんと自分を認めようとしなかった奴らを見返そうとしています。
佐田は殺人を完璧に納得はしていないが、「殺すのは半グレにしよう」と間宮に持ち掛けました。
ここの「パァッ」って感じの間宮の顔！ ちょっと可愛く見えてきたぞ
具体的にどう殺すかを詰める2人。
佐田が現実的にクズ殺害計画を立てられるのはミステリー小説が好きで、自分でも書いていたと知ると本を大量に買ってきちゃう間宮。デレてきました。
『くらやみにポメラニアン』ｗｗ読んでみたい…！
佐田もクズ男の殺害に同行し、ワンボックスカーの中で男が横を通り過ぎるのを息をひそめて待っていると、間宮は細かく震えていて――
『スリーピングデッド(上)』の個人的推しポイント！
1.緻密なストーリー
ラストまで読んでから(上)を読み返すと、「あぁこのとき間宮はこう考えていたのか！」と膝を打つ描写がたくさん。
グロくても、エロがなくても面白いのはストーリーがよく練られているからだと思います！
2.ものすごい執着
(下)でどんどん明らかになりますが、間宮の佐田くんへの執着がすごい。
その分ラストがとても物悲しいんです…！
3.どことなくシュールな絵柄
クズを殺す前に佐田への恋心を自問自答する間宮とか、四肢切断された人が画面にいるのになぜか笑えてしまうシュールな感じ。好きです。
描き下ろしでスムージーの中に陰毛が入っていた時の佐田の顔とか！
ただ総じてグロいので、万人にはおすすめできません…
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